2025年、最も投資妙味のある商社はどこか?29.6%の上昇余地を持つ意外な1社 | 日本の5大総合商社を徹底比較

なぜ今、商社株に注目すべきか?

日本の5大総合商社(三菱商事、住友商事、伊藤忠商事、三井物産、丸紅)の時価総額合計は約20兆円に達し、日本経済の重要な基盤となっています。特に注目すべきは以下の3点です:

  • 2024年の日経平均株価上昇を牽引する主力銘柄群
  • 高配当利回り(平均4%以上)
  • 資源価格上昇の恩恵を受けやすい収益構造

上記のような魅力のある商社株を買いたい人も多いのではないでしょうか?また、投資家目線では「どの商社が最も割安か?」という視点が非常に重要です。そこで今回は、配当割引モデル(Dividend Discount Model: DDM)を用いて、各商社の理論株価を算出し、アップサイドポテンシャル(株価の上昇余地)を算出しました。

結論から言うと、最も割安な商社住友商事(8053)であり、29.6%のアップサイドが見込まれます。一方で、伊藤忠商事(8001)はやや割高となっています。

本記事では、なぜそのような結果になったのか?を深掘りし、各社の投資妙味を徹底解説していきます。


これまでのパフォーマンス

5大商社について過去5年前の株価を100としてパフォーマンスを比較

1. 株価上昇率の比較

全ての商社が過去5年間で大幅な株価上昇を達成しました

企業名証券コード5年前株価現在株価騰落率
三菱商事8058618円2,584円+318.5%
住友商事8053950円3,417円+259.6%
伊藤忠商事80011,733円6,710円+287.3%
三井物産8031607円2,770円+356.1%
丸紅8002433円2,370円+448.0%

2. パフォーマンスの特徴

2.1 丸紅の圧倒的な上昇率

  • 5年間で約5.5倍(+448.0%)という驚異的な株価上昇
  • 5大商社の中で最も高いリターンを実現

2.2 全社で3倍以上の株価上昇

  • 三井物産:4.5倍(+356.1%)
  • 三菱商事:4.2倍(+318.5%)
  • 伊藤忠商事:3.9倍(+287.3%)
  • 住友商事:3.6倍(+259.6%)

2.3 絶対株価水準の違い

  • 伊藤忠商事が最も高い株価水準(6,710円)
  • 他社は2,000円台から3,000円台の範囲

分析概要

本記事では、以下の前提条件のもと配当割引モデル(DDM)を用いて5大商社の理論株価を算出しました。

【分析の前提条件】

項目内容
予測期間2年間
要求収益率8%(投資家の期待リターン)
成長率過去5年間の配当成長率の平均 or 最大5%の低い方
配当性向変動なしと仮定
事業継続性極端な事業環境の変化は考慮しない

なぜ配当割引モデル(DDM)を採用したのか?

配当割引モデル(Dividend Discount Model: DDM)とは、将来の配当金を現在価値に割り引くことで株価を算出する理論モデルです。

5大商社は安定したキャッシュフローと高い配当利回りを持つため、配当が株価形成に大きな影響を与えます。そのため、配当割引モデル(DDM)が最も適切と判断しました。

特に今回は、2段階成長モデルを採用し、以下の2期間に分けて評価しています。

  1. 予測期間(5年間): 過去の配当成長率を反映
  2. 残余期間(永久期間): 配当成長率は安定成長率に収束

5大商社の理論株価とアップサイドポテンシャル

それでは、実際に算出された理論株価アップサイドポテンシャルを見ていきましょう。

【結果一覧表】

商社名現在株価理論株価配当成長率アップサイドポテンシャル
三菱商事(8058)2,553円2,975円5.0%+16.5%
住友商事(8053)3,444円4,462円5.0%+29.6%
伊藤忠商事(8001)6,827円6,300円5.0%-7.7%
三井物産(8031)2,786円3,238円5.0%+16.2%
丸紅(8002)2,404円3,098円5.0%+28.8%

各商社の評価結果

第1位:住友商事(8053)

割安度:非常に高い(+29.6%アップサイド)

  • 現在株価: 3,444円
  • 理論株価: 4,462円
  • 割安率: +29.6%

住友商事大手総合商社の中でも最も割安であり、理論株価と比べて**+29.6%のアップサイド**が期待できます。

特に資源開発インフラ投資による安定収益が強みであり、今後も安定配当が継続される見込みです。

投資戦略

✅ 配当利回りを重視する長期投資向き
✅ 理論株価までの上昇余地が最も大きい


第2位:丸紅(8002)

割安度:非常に高い(+28.8%アップサイド)

  • 現在株価: 2,404円
  • 理論株価: 3,098円
  • 割安率: +28.8%

丸紅は、食料・資源分野で強みを持ち、安定したキャッシュフローを生み出しています。
特に再生可能エネルギーへの投資も進めており、今後の成長余地も大きいです。

投資戦略

✅ 高配当&成長期待のバランス型投資
✅ 理論株価に向けた上昇余地あり


第5位:伊藤忠商事(8001)

割安度:割高(-7.7%のアップサイド)

  • 現在株価: 6,827円
  • 理論株価: 6,300円
  • 割安率: -7.7%

伊藤忠商事は、近年の業績好調により株価が割高になっている可能性があります。

特に非資源ビジネスへの依存度が高く、成長余地に対して株価が先行している状態です。

投資戦略

一旦様子見が賢明
✅ 成長期待は高いが株価上昇余地は限定的


まとめ|最も割安な商社はどれか?

【2025年3月時点の結論】

順位商社名アップサイドポテンシャル投資判断
✅1位住友商事+29.6%買い
✅2位丸紅+28.8%買い
✅3位三菱商事+16.5%買い
✅4位三井物産+16.2%買い
❌5位伊藤忠商事-7.7%様子見

【まとめ】

2025年3月時点で最も割安な商社住友商事(8053)であり、+29.6%のアップサイドが期待できます。
今後の配当成長とともに株価上昇が見込まれるため、配当狙いの長期投資には非常に魅力的な選択肢となるでしょう。