2025 年 3 月に注目すべき高配当株を徹底分析しました。本記事では、配当利回りトップ 10 と DDM(配当割引モデル)による理論株価とのアップサイドが大きい銘柄を紹介し、それぞれの 5 年間のパフォーマンスと DDF 分析を行いました。
1. 配当割引モデル(DDM)を用いた評価
DDM(配当割引モデル)とは、将来の配当金を現在価値に割り引くことで理論株価を算出する手法です。今回の分析では、以下の前提条件を設定しました。
【分析の前提条件】
- 予測期間: 2 年間
- 要求収益率: 8%
- 配当成長率: 過去 5 年間の配当成長率の平均 or 最大 5%の低い方
- 配当性向: 変動なしと仮定
- 事業継続性: 極端な事業環境の変化は考慮しない
DDM を採用した理由は、安定したキャッシュフローを持つ企業では、配当が株価形成に大きな影響を与えるためです。今回は 2 段階成長モデルを採用し、
- 予測期間(5 年間): 過去の配当成長率を反映
- 残余期間(永久期間): 配当成長率は安定成長率に収束
2. 3 月配当の高配当銘柄ランキング
過去 5 年間のパフォーマンス比較

企業名 | 証券コード | 5 年前株価 | 現在株価 | 騰落率 |
---|---|---|---|---|
メイテックグループHLDG | 9744 | 1,315 円 | 3,019 円 | +129.6% |
エフ・シー・シー | 7296 | 1,406 円 | 3,300 円 | +134.7% |
アイティメディア | 2148 | 577 円 | 1,644 円 | +184.9% |
タチエス | 7239 | 927 円 | 1,825 円 | +96.9% |
東洋建設 | 1890 | 409 円 | 1,372 円 | +235.5% |
日本触媒 | 4114 | 1,130 円 | 1,842 円 | +63.0% |
有沢製作所 | 5208 | 777 円 | 1,452 円 | +86.9% |
商船三井 | 9104 | 539 円 | 5,510 円 | +921.7% |
ダイキョーニシカワ | 4246 | 469 円 | 631 円 | +34.5% |
ユニプレス | 5949 | 920 円 | 1,151 円 | +25.1% |
過去 5 年間のパフォーマンスを見ると、以下の特徴が顕著です:
- 商船三井が圧倒的なパフォーマンス
- 921.7%という驚異的な上昇率を記録
- 海運市況の好転が主な要因
- 安定した成長を示す企業群
- 東洋建設(+235.5%)
- アイティメディア(+184.9%)
- エフ・シー・シー(+134.7%)
- メイテックグループ(+129.6%)
が 100%以上の成長を達成
- 相対的に低パフォーマンスの企業
- ダイキョーニシカワ(+34.5%)
- ユニプレス(+25.1%)
は相対的に低い上昇率に留まる
全体として、10 銘柄中 8 銘柄が 50%以上のリターンを記録しており、高配当銘柄でありながら株価上昇による資産価値の増加も期待できることを示しています。
DDM による理論株価とアップサイドポテンシャル
銘柄名 | 証券コード | 配当利回り(予) | 現在株価 | 理論株価 | アップサイドポテンシャル |
---|---|---|---|---|---|
メイテックグループHLDG | 9744 | 6.34% | 2,972 円 | 5,005 円 | +65.78% |
エフ・シー・シー | 7296 | 6.25% | 3,230 円 | 3,745 円 | +13.48% |
アイティメディア | 2148 | 6.19% | 1,615 円 | 3,500 円 | +112.89% |
タチエス | 7239 | 6.04% | 1,789 円 | 3,441 円 | +88.52% |
東洋建設 | 1890 | 5.99% | 1,335 円 | 3,640 円 | +165.31% |
日本触媒 | 4114 | 5.94% | 1,815 円 | 2,013 円 | +9.26% |
有沢製作所 | 5208 | 5.88% | 1,428 円 | 2,870 円 | +97.66% |
商船三井 | 9104 | 5.68% | 5,489 円 | 10,150 円 | +84.21% |
ダイキョーニシカワ | 4246 | 5.51% | 617 円 | 767 円 | +21.58% |
ユニプレス | 5949 | 5.48% | 1,095 円 | 1,750 円 | +52.04% |
3. DDM によるアップサイドが大きい銘柄ランキング
過去 5 年間のパフォーマンス比較

企業名 | 証券コード | 5 年前株価 | 現在株価 | 騰落率 |
---|---|---|---|---|
石油資源開発 | 1662 | 324 円 | 1,246 円 | +284.3% |
三菱倉庫 | 9301 | 375 円 | 1,028 円 | +174.4% |
酒井重工業 | 6358 | 1,164 円 | 2,279 円 | +95.8% |
アバールデータ | 6918 | 2,200 円 | 2,484 円 | +12.9% |
日東電工 | 6988 | 851 円 | 2,994 円 | +251.8% |
日本曹達 | 4041 | 1,142 円 | 2,975 円 | +160.4% |
東洋建設 | 1890 | 409 円 | 1,372 円 | +235.5% |
オービック | 4684 | 2,590 円 | 4,371 円 | +68.8% |
カクヤスグループ | 7686 | 274 円 | 514 円 | +87.4% |
理想科学工業 | 6413 | 808 円 | 1,362 円 | +68.6% |
理論株価とアップサイドポテンシャル
銘柄名 | 証券コード | 配当利回り(予) | 現在株価 | 理論株価 | アップサイドポテンシャル |
---|---|---|---|---|---|
石油資源開発 | 1662 | 4.46% | 1,195 円 | 7,000 円 | +461.79% |
三菱倉庫 | 9301 | 3.25% | 985.9 円 | 5,250 円 | +410.45% |
酒井重工業 | 6358 | 4.59% | 2,246 円 | 9,800 円 | +330.01% |
アバールデータ | 6918 | 2.85% | 2,452 円 | 10,675 円 | +329.75% |
日東電工 | 6988 | 2.23% | 2,901 円 | 9,450 円 | +215.63% |
日本曹達 | 4041 | 4.11% | 2,918 円 | 8,400 円 | +182.35% |
東洋建設 | 1890 | 5.99% | 1,335 円 | 3,640 円 | +165.31% |
オービック | 4684 | 1.59% | 4,313 円 | 11,550 円 | +164.24% |
カクヤスグループ | 7686 | 4.03% | 496 円 | 1,342 円 | +161.03% |
理想科学工業 | 6413 | 3.70% | 1,352 円 | 3,500 円 | +156.98% |
4. まとめ:2025 年 3 月の高配当株おすすめ銘柄
配当利回りが高く、過去 5 年間の成長率や DDM によるアップサイドポテンシャルが大きい銘柄は以下の通りです。
- 石油資源開発 (1662)
- 配当利回り: 4.46%
- 権利付最終日: 2025/03/27
- アップサイドポテンシャル: +461.79%
- 理論株価との乖離が大きく、長期的な成長が期待できる
- 東洋建設 (1890)
- 配当利回り: 5.99%
- 権利付最終日: 2025/03/27
- アップサイドポテンシャル: +165.30%
- 高配当利回りと業績の伸びが魅力的
- 日東電工 (6988)
- アップサイドポテンシャル: +215.63%
- 権利付最終日: 2025/03/27
- 過去 5 年間で+251.8%の株価上昇を達成
- 安定した業績と成長性を兼ね備える
- メイテックグループ HLDG (9744)
- 技術者派遣業界のリーディングカンパニー
- 権利付最終日: 2025/03/27
- アップサイドポテンシャルが高く、成長期待が大きい
- 安定した事業基盤を持つ
- 三井倉庫 (9301)
- 権利付最終日: 2025/03/27
- 配当の連続増配実績
- PER が 12 倍と割安な水準
- 物流インフラとしての重要性が高く、長期的な成長が期待できる
これらの銘柄は、高配当利回りと成長性を兼ね備えており、長期投資の観点から魅力的な投資対象となっています。特に、石油資源開発と東洋建設は、現在の株価水準から見て大きな上昇余地があると考えられます。
長期投資を考えるなら、これらの銘柄をポートフォリオに加えるのも一つの選択肢です。市場環境を注視しながら、投資戦略を立てていきましょう!